なお例の中の群名は一部群区町村制以前までさかのぼって表記しています。
先ずは基本4形態
①役場/役所前タイプ
1市町村に一つという道路元標の設置要件を考えると一番自然な立地だと思われる。感覚としては1番数が多い。
例
中之條町道路元標(群馬県吾妻郡、現中之条町)
小手指村道路元標(埼玉県入間郡、現所沢市)
②寺社門前タイプ
感覚的に数は①の役場/役所前タイプと同じくらいの数がある。その地域の寺社の地位の高さに影響される?
例
青森市道路元標(青森県東津軽郡、現青森市)、善知鳥神社前
府中市道路元標(東京都北多摩軍、現府中市)、大國魂神社前
➂高札場タイプ
高札場は町の端っこに置かれることが多いがその町の情報の中心として十分な中心性を持っていると思われる。街道沿いにあることも多いため街道型と兼ねることも多い。
例
奈良市道路元標(奈良県添上郡、現奈良市)
萩町道路元標(山口県阿武郡、現萩市)
④街道タイプ
街道沿いにあり、道路元標としては他の地域との距離を測るという本来の意味を考えると最もまっとうな立地であると考えられる。街道の起終点にあることが多い。また、街道から道が分岐する辻であることも多い。
例
東京市道路元標(東京都(豊島郡)、現中央区)
京都市道路元標(京都府、現京都市)
更にそれぞれの亜種と言えるものが以下の4つ
①’役場/役所先タイプ
①の亜種で役場/役所が奥まった場所にある場合主要道路の辻に置かれることがある。街道型と兼ねる場合も多い。
例
下関市道路元標(山口県豊浦郡、現下関市)
①”県庁前タイプ
①の亜種で県庁前にあるタイプ。県庁所在都市には限りがあるので数は少ない。一部の県庁所在都市にとっては都市の中心は市役所ではなく県庁だったようだ。
例
長崎市道路元標(長崎県西彼杵郡、現長崎市)
熊本市道路元標(熊本県飽託郡、現熊本市)
②’寺社先タイプ
②の亜種で役場/役所が奥まった場所にある場合主要道路の辻に置かれることがある。街道型と兼ねる場合も多い。明治の上知令以前の寺社地の端と対応することもありそう。
例
長野市道路元標(長野県上水内郡、現長野市)
④’水路タイプ
④の亜種で水路が主要な交通手段である地域にある。
例
嵯峨村道路元標(京都府葛野郡、現京都市)(永太郎さん情報提供)
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